黒衣の女
著者:折原一
「わたしを探してほしい」。探偵社にやってきた女は、そう依頼する。記憶を失った彼女のアドレス帳には、3人の男達の名が記されていた。そして、その男達は次々と殺害される…。
折原一作品の魅力っていうのは、平易で非常に読みやすい文章、サスペンスフルな展開、そして、精巧に練り上げられたトリックの3つであると思っている。初期作品であるこの作品も、その方向性は変わらない。アドレス帳に名前の書かれた人々の「最期」までの描写。記憶を失った「彼女」の描写。そして、その事件現場に現れる「黒い姿の女」の影…と、半ばホラー作品のような様相も持って引きつけていく辺りは流石。
ただ、ちょっとこの作品に関しては、「トリック」の部分で気になる点が。凝りに凝った形で、着地してもややわかりにくい、という部分は目を瞑るにしても、この手の「トリック」としては極めてアンフェアな形。この手のトリックは、読み終わった時にパズルが完成したような爽快感があるのだが、この作品は、「そりゃないだろ」という風に感じてしまった。ちょっと、頂けないかな…これは。
(05年11月21日)

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偽りの館 叔母殺人事件
著者:折原一
役者志望のフリーター・名倉智樹は、探偵に連れられてある館へと赴く。館の主は、清瀬富子。一代で財を成した資産家で、現在は引退した彼女は、智樹の叔母に当たり、遺産の相続人として呼び寄せたという。だが、嫌味な富子に対し、次第に殺意を固めて行く。一方、事件から数ヶ月、ノンフィクションライター志望の男は、事件を知るため、館に住み込む。
なんていうかな…、折原一らしいな、というのが読了後、第一に思った感想だろうか。
著者の作品として、構成そのものは比較的シンプルなものになるだろうか。殺人犯として捕まっている智樹が、事件を起こすまでの日々を綴った日記とノンフィクションライターを志す男の日常。その交錯によって物語りは進む。殺意を固めて行く智樹の心情、嫌味たらしい富子の性格…「いかにも」な雰囲気が良い意味で、折原一作品らしくて良いなぁ、と感じた。
著者の作品をある程度読んでいる人ならば、ある程度は読めるんじゃないかと思う。ただ、個人的には、ここ数回読んだ著者の作品が複雑…というか、あまりにもやり過ぎで腹立たしかったことが多かっただけに、今回は安心して楽しめた。
(06年3月3日)

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異人たちの館
著者:折原一
「失踪した息子の伝記を書いて欲しい」。売れないフリーライター・島崎は、ゴーストライターとして宝石商の息子の伝記を書くことになる。島崎は小説家志望だった小松原淳について取材を進めるが、淳の周囲で不可解な事件が次々と起こっていることを知る。そして、島崎自身の周囲でも様々なことが起こる…。
変な言い方だが、折原氏の作品って結構、当たり外れが大きい、という印象がある。このブログに感想を書いた中でも、無理矢理だなぁ…っていうのも、結構多いし。でも、今作に関しては文句なしに「当たり」の作品。著者自身が、自らのサイトで「自薦ナンバー1」って言っているくらいだから心配はしていなかったわけだけど。
トリックがトリックなので、あまりネタバレできないのだが、本文、手記、様々なインタビュー…それらが次々と重なって行く構成。ある程度読みなれた人間ならば、これを素直に…と考えることはないと思うのだが、それでもこれは読めなかった。いや、部分部分では「こうだろうな」と考えた部分はある。けれども、全てを合わせて、こう纏め上げてくるところに素直に脱帽。
着地点の部分がちょっとややこしいといえばややこしいのだが、大きな欠点ではない。素直にお勧めできる作品。
(06年5月28日)

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グッドバイ 叔父殺人事件
著者:折原一
叔父が死んだ。仲間と共に車の中で練炭を炊いての一酸化炭素中毒。「集団自殺」と言う奴だ。しかし、叔母は、「自殺に見せかけて、誰かが殺したんだ」と言う。ぼくは、遺族として、他の自殺者の周囲を探ることに。すると、この集団自殺を探るルポライターの存在が浮かんできて…。
うーん…。
題材になっているのは、最近も良く見かける「ネット心中」。ネット心中に至るまでの、各々のやりとりであるとか、そこまでの過程なんていうのは実に面白い。また、著者独特の方法ではあるんだけど、読めば読むほど、どんどん膨れあがってくる違和感であるとかは見事。最初から、「こういう仕掛けでは?」という疑惑は持って読んでいるんだけど、それによって余計に混乱してくるあたりは上手い。
ただ、今作はやや着地点に不満があるかな? ちょっとこれはアンフェアに近い部分があるし…。あまりスッキリという感じが弱かった感じがする。それとも、まだ、私の頭の中が混乱しているのかも知れないけれども…。
(06年7月18日)

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行方不明者
著者:折原一
埼玉の旧家・滝沢家の人々が突如、行方をくらませた。ノンフィクションライターのアシスタントをしている五十嵐みどりは、その謎を解くべく、調査を開始する。一方、売れない作家である「僕」は、電車内で出会った「君」に興味を持ち…。
さぁ、何を書こう…(ぉぃ) この手の作品は書くことに困るんだ。ま、そういうタイプの作品ってわけだ。
うん…綺麗にまとまっているんだ。滝沢家の一家失踪事件。その事件を探るべく、五十嵐は、近所の人々、残された家族へと取材を敢行して行く。そこにはその家族が抱えている問題。どの家族にもありそうな些細な問題が出てくる。しかし、それが失踪する理由としては考えにくい。そして、少しずつ事態が進んで行く…。一方の僕のパートもふと出会った出来事から、通り魔事件に関わって行く…。テイストの違う両者がどう繋がって行くか…も含めてやはり引っ張ってくれる。
…んだけど、何か、最後にもやもや感が…。なんか、一発で「あ、そうだったんだ!」っていう切れ味みたいなものがちょっと弱い。巧くまとめられはいるんだけれども、なんか終盤、加速度的に…みたいな感覚が弱くて、そのまま淡々となだれ込んで説明されて終わり、という風に感じられたのが残念。
悪い作品ではないんだけどね。
(06年9月3日)

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仮面劇 MASQUE
著者:折原一
妻に5000万円の生命保険を掛けた。額としては多すぎず少な過ぎずだ。彼、Mは事故死に見せかけてやりとげる自身があった…。
こういう捻り方をしてきましたか…。いや、なかなか面白かった。
妻に生命保険を掛け殺害する。多少のトラブルはあったものの巧く行った…はず。しかし、Mの元には、脅迫者からの電話が…。一方、目立たないホステスから見初められて水島と結婚した麻里は、秘密主義の夫の態度に不審を抱いて…。と、いう展開で物語は信仰。Mの正体は誰か? 麻里の疑惑は何か? という形で進む…。
が、それが中盤でアッサリと一旦は解決。が、そこからまた別の方向に話が転がる。そして…と。
変な言い方なんだけど、深読みし過ぎたのか、終わった時に「ああ、こんなに単純な形だったのね」というのが第一。折原作品らしい仕掛けも施されてはいるのだけど、比較的単純な仕掛けをプロットの捻り方を駆使して巧く持って行かれた感じ。オチもしっかりと決まったし。
まぁ、最後の落とし方がちょっと強引なのは残念だけど、全体を通せば十分に楽しめた。
(06年11月9日)

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沈黙の教室
著者:折原一
青葉ヶ丘中学3年A組。成績優秀な委員長、副委員長がいて、不良もいる。そんなクラス。だが、そこは異常な学級だった。「恐怖新聞」が秘密裏に発行され、生徒たちの中では「粛清」という名の陰湿なイジメが繰り広げられる。そんな中、ある事件が…。それから20年、同窓会の知らせを契機として復讐劇が幕を開ける…。
いや〜…文庫で700頁弱というかなり長い作品なのだが、全く長さを感じさせずに一気に読んでしまった。うん、面白かった。と、同時に、作者がこの作品をあまり気に入っていない、というのも何となくわかった。
過去、担任であった教師の目から見たクラスの様子。そして、現在、記憶を失った男の話が交差する形で物語は開始する。そして、同窓会の知らせから、今度は同窓会の幹事へ、復讐者へと視点が移っていく…。
これまでに書いただけでも、物語の焦点となるべき場所が沢山あることはおわかりいただけるかと思う。20年前、異常な雰囲気を常に漂わせていたクラス。その象徴である「恐怖新聞」。それを発行していたのは誰か? 現在、それぞれの人物はそのクラスで結びついていることはわかる。だが、その「復讐者」とは一体誰なのか? 誰も見覚えのない記憶喪失の男の正体とは? 異常な雰囲気を持ったクラスの様子、そして次々と起こる事件という緊迫感漂う中で多くの謎がちりばめられ、どんどん物語が進んでいく。著者の作品は、どれもリーダビリティがあるのだが、この作品は特にそれを感じた。
と、同時に、著者があまり気に入っていない、というのもわかる気がする、というのもそちらがメインとなり、著者の特技である終盤のどんでん返しという部分があまりなく、収まるべきところに収まって…という決着。この辺りだろうな…という風に思う。ただ、それは当然、悪いことではなくて、下手に力技でひっくり返されるよりは良いと感じる部分もある。個人的には、これで十分に満足。
どちらかというと、ミステリーというよりも、ホラーとして考えたほうが良いのかもしれない。まぁ、どっちにしても素直にお勧めできる作品だと思う。
(07年3月30日)

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タイムカプセル
著者:折原一

駆け出しのカメラマン・石原綾香。彼女が、新しい企画として考え付いたのが、中学時代の同級生の10年後、20年後を追い、その変化をたどる、というもの。丁度、自分の中学時代の友人から電話があったのだが、一緒に生めたメンバーに奇妙な手紙が届いていることを知る…。
うーん…なんか、凄く消化不良感が残る…。
作品のイメージからすると思い出すのが、『沈黙の教室』のそれ。中学時代、タイムカプセルを埋めた仲間たち。その仲間たちに起こる奇妙な事件…。こういうところで、設定そのものが似ているためだと思う。ただ、明らかに、こちらの方が事件そのものに関する恐怖感であるとか、書き込みだとかが不足していると感じる。
確かに、その存在すらよくわからない不登校の生徒の存在であるとか、はたまた、奇妙な手紙であるとかで、恐怖感を煽っている部分はある。けれども、その一方で具体的な事件そのものが弱い上に、どんでん返しのような部分の切れ味もイマイチでうーん…という感じ。さらに、読者としては見え見えの謎のキーワードがわからずに主人公である綾香が悩み続ける…と言った読者と登場人物の乖離みたいなことも気になった。
若者…というか、子供にも…というのが、この作品を出した「ミステリーYA!」というレーベルのコンセプトもあって、あまり凄惨な描写だとかが出来なかったのかもしれないが、なんか、その足かせゆえに正直、中途半端な状態になってしまったのではないか、という風に感じてしまった。
(07年5月26日)

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暗闇の教室1 百物語の夜
著者:折原一
20年前、歴史的な渇水でダムが干上がった中学時代の夏。私は、悪ガキ仲間と共にダムの底へ沈んだ緑山中学の旧校舎へと探検に出掛けた。ほんの好奇心で行ったその行動が、あのような事件を引き起こすとは知らずに…。
『沈黙の教室』の姉妹作というか、この作品も含めて「教室3部作」とされているらしい。その3部作の第2弾。そして、この巻は前半部分というか、過去パートというか…。
物語としては、冒頭にも書いたように、悪ガキ4人が、ダムの底から現れた旧中学校へと探検に行くところから始まる。後者の中で行われる怪談。そこで起こる不可思議な出来事。世間を騒がされている連続殺人鬼と、過激派の女活動家、そして、現在は引退している元校長…といった視点がごちゃ混ぜになりながら物語が進んでいく。
一応、この巻では過去のパートを中心として描かれるのだが、良くも悪くも「らしいな」というのをまず感じる。そして、なかなか大風呂敷を広げてくれた…とも。ある程度、ここだけでも物語は出来ているのだけれども、不可解な部分は残っている。そして、何となく著者のトリックの一旦も垣間見えるような終わり方。さて、どうなるか…。
折原さん、結構、強引な纏め方する作品が多いからなぁ…。
(07年9月4日)

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暗闇の教室2 悪夢、ふたたび
著者:折原一

20年ぶりの渇水。ふとした事故で、当時の記憶を失った担任教師・千春は、当時の関係者にその事件ついて尋ねて回る。だが、当時の関係者の下には謎の手紙が…。そして、そのような状況の中、再び旧校舎へ集まることとなり…。
『百物語の夜』の続きで、物語の後半。
うーん…なんか、こういう騙され方もあるのか…。ある意味、折原作品を読みなれているからこそ、の騙され方、というか…。まぁ、普通に考えれば凄い尻すぼみ感なんだけど。
1巻目で提示された「1人多い」という謎。さらに、ある人物を取り巻く謎は中盤までにアッサリとばらされてしまい(しかも、片方はあまり意味があるともいえない)、そして、そこから次々と起こる事件。誰が犯人なのか? へ絞られていく。…が、これはなぁ…。
シンプルでスッキリとする、と言えば聞こえが良いのだが、無理矢理というか、「いや、それは無理がないですか?」というほうが先に出てしまう。また、いかにも、な形での構成が結局、殆ど生きていない、というのも不満。折原さんらしさ、みたいなものも弱くて、どうも不満の方が先にたってしまう。
シンプルな作品なら、シンプルな作品でまとめればよいと思う。それを無理矢理、何かありそうな形に大風呂敷を広げただけ、という感じがして仕方がない。特にシリーズ前作である『沈黙の教室』が、そのシンプルな構成で成功していたと思えただけに。
ちょっと今作の出来は残念。
(07年9月4日)

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チェーンレター
著者:折原一
「これは棒の手紙です。この手紙をあなたのところで止めると必ず棒が訪れます」 ある日、届く手紙。水原千絵は、妹・百絵からの手紙に憤りを感じつつも妹を含めて5人へと手紙を送る。しかし、その送った相手が撲殺されたことを知る。一方、ライターの高畑は、友人の元へ届いたその手紙に興味を抱く…。
本書は01年に「青沼静也」と言う覆面作家名義で発表された作品。
…が、読んでいて、ごめんなさい、大笑いしてしまいました。だって、「まんま」折原節なんだもん(笑) 元々、折原氏の作品、奇妙で、不気味な出来事が起こり、その中で様々な(どちらかと言うとひねくれた)人物の思惑が重なりつつ物語が展開する、というのが多いのであるが、本作もまさにその「王道」とも言う展開。
「棒が来る」と言う、一見、意味不明の手紙。無論、それは「不幸の手紙」の変形パターン。しかし、それが届くと、期限前に「出したか?」「早く出せ」と言う脅しの電話が。そして、それでもはねたものは…と続いていく。姉妹で手紙をやりとりし、結果として周囲にその手紙を広げてしまう水原姉妹。事件を追い、千絵と恋に落ちていく高畑。そして、犯人そのものの連鎖…。折原氏らしい作品なのだが、しっかりとつなげていく辺りは流石。
ただ、終盤は流石に、その連鎖がやや強引かつ冗長な気がする。4章+エピローグというような形の構成なのだが、3章くらいで終わっても良かったのではないかと思う。それでも十分に作品の「連鎖」は描けていたと思うだけに。
とは言え、折原作品らしさ溢れる作品なので、ファンならば十分に楽しめるのではないだろうか?
(07年12月20日)

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月の裏側
著者:恩田陸
「ホラー」だと言えば「ホラー」だし、「SF」と言えば「SF」。カテゴリで分類しようとすると、どれにも当てはまらない不思議な作品だ。
水郷の町で起きる奇妙な連続失踪事件。失踪した者たちは皆、しばらくすると帰ってくる。その間の記憶を無くしてはいるのだが、決して嫌な感じはしなかったと言って…。そして、調べて行くうちに彼らは「盗まれた」ようだと気づく。
作中で面白かったのが、「人間は生物学上の都合から別々のものになりたがっている一方で、一つにもなりたがっている。」というくだり。「個性」という言葉が流行であるように、自分が他の人と別物であることを望みながらも一方で、少数派であることを極端に恐れる。本作の主人公たちの「盗まれる」ことによって「自分で無くなる」ことを恐れながら、一方で「盗まれる」ことで多数派になった者たちの安堵、心地よさも知っていて…。
作品の形としては、ホラーというか、SFというかを用いて「恐怖」が前面にあるのだが、その中で、「個性」と「多数派」を同時に求める人間の面白さを感じた。
なかなか不思議な味わいのある作品だと思う。
(05年2月23日)

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麦の海に沈む果実
著者:恩田陸

恩田陸の作品を読むのは『月の裏側』に継いで2作目であるが、どちらも独特の雰囲気を醸し出している。極めて陳腐な言い方ではあるが、「幻想的」「詩的」という表現がピッタリと来るように思う。

この作品に関して言うと、序盤に「『不思議の国のアリス』より『鏡の国のアリス』が好きだった」という言葉が出てくるが、この作品の世界観もそんな感じである。湿原に囲まれた陸の孤島にある全寮制の学校、3月以外の転入生は破滅をもたらすという言い伝え、男女2つの姿を使い分ける校長、裏表のありそうな美少年…。そんな環境で、次々と事件が起こり、理瀬は自らの存在にすら不安を覚えて行き…。
ミステリといえばミステリではあるが、イメージとしてはむしろファンタジー的な色彩を強く感じた。とにかく、この特殊な世界観が印象的である。

正直、ミステリと見た場合には結末に不満が無いわけではない。が、この世界観の魅力を考えれば些細なことだと思う。
(05年3月5日)

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不安な童話
著者:恩田陸

大学教授秘書の万由子は、変死した画家・高槻倫子の展覧会で突如デジャヴに襲われて倒れる。「あなたは母の生まれ変わり」と言う、倫子の息子と共に倫子の死の真相を探る万由子だったかが、彼女に不可思議な事件が襲い掛かる。

恩田陸の作品は、ジャンルを飛び越えた不可思議な世界観を持つものが多いのだが、この作品は、そのような不可思議な世界観を持たせつつ、単純にミステリとして見た場合もしっかりと一級品の完成度を併せ持っている。
主人公・万由子、大学教授の泰山、倫子の息子・秒、倫子から絵を送られた4人の人物…。とある童話になぞらえて表現した高槻倫子の想い、そして、その倫子にまつわる人々の想いと不安、それらが巧みに描かれていて、悲しいながらも美しいと言いたくなるような後読感が残る。
ある程度、ミステリ作品などを読んでいる人ならば、犯人自体は途中で読めてしまうかもしれないが、決して減点材料ではないと思う。
(05年4月6日)

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ドミノ
著者:恩田陸
いや〜…楽しかった〜。
東京駅に集う様々な人々。それぞれのちょっとした行動、それが次々と他の人の行動に変化を加えていく。まさに、連鎖反応。ドミノ倒し。主な登場人物だけでも30人近くにも及び、それぞれが加速度的に絡み合って行く。ハチャメチャなところは徹底的にハチャメチャに、現実的なところは徹底的に現実的に描かれていて、そのギャップも見事。
とにかく、読んでいて「楽しい」と思える作品だった。最高!
(05年6月7日)

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